革のこと⑨
革のこと⑨
私たちが使いたい豚革を作っている、タンナーさんのところにお話を聞きに行ってきました。
(タンナーとは、動物の「皮」をなめして、「革」にする仕事をする人)
作っている革についての想い、豚たちの飼育環境についても、詳しく説明して頂きました。
仕入れ先の豚たちは、トレーサビリティが確立されており、またその飼育環境は、ヨーロッパでも最も厳しいとされる、アニマルウェルフェア先進国イギリスの基準レベル、と審査されているとのこと。
それは「飼育されている」というより、群れで「暮らしている」豚たちでした。
豚たちは穏やかでとても人懐っこく、よく遊び、健康で、繁殖力も強いそうです。
豚は穴掘りが好きなので、柔らかい土が敷いてあるそう。
日本で一般的なのは、コンクリートの床。
やりたいことができないって、めっちゃくちゃストレスですよね。
それを一生強いられるって、私なら頭がおかしくなるな.. ( ・ὢ・ )
さて、お話をお伺いした後は、工場の中を簡単に見せて頂けました。
工場内には、猪の原皮が置いてありました。
こちらのタンナーさんは、害獣として駆除されてしまった動物の皮を、革に生まれ変わらせて、現地に戻す活動もされています。
剥いだ皮というのは、そのままだと腐敗してしまうため、すぐに脂をしっかり落とし、塩をふります。
そうやって塩漬けにされた原皮が送られてくるので、大きなドラムの中でもみくちゃに洗って、塩を落とします。
とっても重労働です。
私たちが伺った次の日に、豚の原皮が大量に送られてくる予定とのことで、「お盆休みなしで、工場をまわします」とおっしゃっていました。
なぜなら暑い季節は、皮に残っている脂の酸化があっという間に進んでしまうため、どんどん作業を進めていかないと、せっかくの皮をダメにしてしまうことになるんだそうです。
知らないことがいっぱい。
てか、知らないことしかない。
「無知の知」を痛感することが続いています( ̄▽ ̄;)
さ、いよいよ、豚革を使ったMTモデルの試作2号機の製作に入ります。
written by nana