命との向き合い方
私は、子供を2人、産むことができました。
小さい命が、私のお腹の中に宿り、だんだんと、大きくなり、しゃっくりをしたり、エイリアンのように動いたり、かかとで蹴りつけてきたり、どんどん、その命の存在が、確かなる物だと実感しました。
お腹の子との、新しい人生を、何度も想像しては、「早く逢いたいな」とお腹を撫でていました。
陣痛は、そんな、幸せな想像を打ち消すくらい壮絶で、例えるなら、巨人の手で、何度も腰を握り潰され、破壊されるような感覚で、三日三晩、休むことなく続けられ、
食べることも、飲むことも、眠ることもできず、生きる気力すら、なくなりました。
「もう、二度と子供は産まない!」
そう、旦那に叫びました…笑
私の場合、出産は、ドラマのような感動的な場面ではなく、やっと、この苦痛から解放される、「安堵感」のが強かったのを、覚えています。
意識もうろうとする中、「オギャー!」と、産声を聞いたとき、「ハッ!」と我にかえりました。
「あー、この子も一緒に頑張っていたんだ。」と、気づいたとき、涙があふれてきました。
それは、さっきまでの苦痛さえも、忘れさせるくらい、愛おしく、壊れそうなくらい、小さな手に触れた時、「自分の命に変えてでも、この子を守る!」と誓いました。
命との向き合い方…
ななさんから、「食肉用と証明され、トレーサビリティがハッキリした、革を選びたい!」と、提案され、同時に、田中先生の言葉を聞いた時、自分の「命懸けの出産」を
思い出しました。
人だろうが、犬だろうが、牛や豚だろうが、同じ、脊椎動物で、同じように、感情を持つ生き物だと、犬を通して、学んできたはず。
その「動物福祉」の考えを、私は、犬以外の動物にも結びつけることが、できていませんでした。
何も考えずに、物を買い、消費してきた私にとって、知ることは、かつて、ペットショップで、「SALE」の値札が付いた、ポンを見た時の、違和感と同じで、知ることの恐怖もありました。
命への向き合い方…
それに、気づいた時、私の中の、モヤモヤがスッキリしました。
今まで作った、革のバッグの見え方が、変わり、スーパーに買い物に行った時、パッケージに入った、豚肉の見え方が変わりました。
合言葉のように言っていた「いただきます!」と言う言葉の意味が、変わりました。
DLIC.の商品は、私達でしかできない、私達でしか伝えられない「想い」を商品に乗せることが、できる。
そう、思ったとき、物を作り出すことの、素晴らしさを考え直す事が、できました。
そして、その商品を通して、手にとってくださった方々が、「命への向き合い方」を感じ取って頂けたら、幸いです。
新たな第一歩へと、まだまだ、出発したばかりですが、応援して頂けたら、嬉しいです。
DLIC. sonomi