革のこと②
革のこと②
革のこと①の続きです。
田中先生は、優しく、分かりやすく、こんな話をしてくれました。
「なぜ革で作るのかを考えること」
「その革の背景を考えること」
「食肉用の副産物としての革を、利用して、大事に使うということは、命を大事にしているということだよ」
「犬を大事にする姿勢だけでいいの?」
「動物愛護と動物福祉は違うんだよ」
「動物愛護は、好き嫌いなど、個人の主観によるもの」
「動物福祉とは、動物主体、動物にとって快適かを考えること」
一時間半。
先生の言葉を聞くごとに、私の中でモヤモヤしていたものが晴れていきました。
私は犬が大好きです。
これまで先生に犬のことをたくさん教わりました。
そして、自分主体ではなく、愛犬が快適かどうかを常に考えるようになりました。
愛犬が気持ちよく生きてくれていることが、私の喜びです。
そして、私は食べ物を選ぶとき、その背景を重視します。
たとえば豚肉や牛肉は、豚や牛がどんな環境で飼育されていたのか。
頂く命が、生前、快適に暮らしていてほしいと思います。
なぜなら、犬と、食肉になる動物に、なんの違いもないからです。
犬にも、犬以外の動物にも、私たち人間と同じく、感情があり、思考がある。
パピーミルの劣悪な環境に異を唱えるならば、豚や牛たちに対しても同じであるべきだからです。
私たち人間が、「自分たちの快適のために、他の動物の快適を奪っていい」そんな権利はありません。
命は平等である選択。
それは、革にだって同じことが言えます。
なぜなら、その動物はかつて生きていたから。
その命を私たちに繋げるために、私たちを生かすために生まれてきた存在です。
そう、分かってたはずなのに。
私は革の背景から目を反らしていました。
革作家yukiさんや革が大好きなsonomiさんに遠慮して、アニマルウェルフェアな視点を
革に対して持たないようにしていました。
自分に言い訳して、大事なことを革に当てはめずにいたのは、結局、自分主体でしかなかったに過ぎません。
そんな自分がすごく情けなくて、先生の話を聞きながら泣きました。
「真実に正直であれ」
先生がかけてくれた言葉です。
トリーツポーチを通して、犬だけでなく、動物すべての命の大切さを伝えていきたい。
そう思いました。
③に続きます。
written by nana